テーマ:小説

小説 あやかしの里(その5)

 OHモーレツ!  有鉛ハイオクガソリンのCMがテレビから流れてきた。  もーれちゅ  愛子ちゃんが真似をして言った。  私は、その可愛らしさに思わず笑みがこぼれるのを感じた。  今私は相模湖近くのドライブインで働いている。  そう、無銭飲食で警察に突き出されたドライブインだ。  このドライブイ…
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小説 あやかしの里(その4)

 相模原警察署で私は運転免許証を受け取った。  講習を受け教室を出た時私を尋問した刑事と会った。  私が軽く会釈をすると彼は顔を背けて歩いて行った。  受け取った二つ折りの免許証には『自二』の場所に黒い縦線が一本入っている。  話は二週間前に戻る。  私は二俣川の運転免許試験場に自動二輪の試験を受けに行った…
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小説 あやかしの里(その3)

 完璧だ!実に良く出来た作品だ!  私を診断した精神科医は検査結果と私の双方を交互に見ながら言った。  これほど完璧なマインドコントロールは見た事がない!  君は40年先の未来から来たというが普通ならば、ここまで検査すれば、ほころびのひとつも出てくるのにポリグラフの結果も全くおかしいところが無い。  まるで本当に…
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小説 あやかしの里(その2)

 お前は一体何者だ!  刑事は私を睨みつけて怒鳴った。  そして机の上に置かれた缶のフタを開け両切りピースを一本取り出し机の上でトントンと叩いて、くわえ火を点けた。甘い香りが取調室に拡がった。  『何者だ』と言われても。  私は呟くように言った。  お前の持っている物は皆でたらめな物ばかりだ!  先ず…
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小説 あやかしの里(その1)

 私の経験した不思議な出来事についてお話させてください。  貴方が信じる信じないは別として誰かに聞いてもらいたい。  そして冷静な意見を聞かせてもらいたい。  「あり得ない」と貴方は言うかもしれません。  多分誰かに今から話す事を私が聞いたら同じ答えを出すでしょう。  とにかく話を聞いてから…  話は…
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芥川龍之介考(竜)

 出展は徒然草だったと思う。  原作では結局竜は現れなく集まったギャラリーは去ってゆくという結末だが彼の作品では竜が現れ天に昇って行った。  原作同様のストーリーが展開し最後に、どんでん返しがあるという趣向だ。  「これから読もうと思っていたのに!」という人には「済みません」とお詫び申し上げます。  芥川龍之…
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芥川龍之介考(トロッコ)

 この作品も舞踏会同様に高校の教科書に載っていたものだ。  主人公の良平少年(当時8才)は小田原熱海間に敷設される軽便鉄道(施設や建設規格の簡単な一地方の交通に供する鉄道。また、軽便鉄道法(1910年施行、19年廃止)により敷設された鉄道)の工事現場にあるトロッコに興味を持ったわけだ。  男の子というのは、この手の工事現場の…
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芥川龍之介考(邪宗門)

 芥川の所謂王朝ものの中でも邪宗門はひと際冴えていると思う。  しかし残念ながら、この作品は未完成だ。  地獄変の続編として書かれた、この作品の冒頭部分は堀川の殿様の壮絶な最期を生きいきと記述している。  それは生前の様々な悪業の数々を想像するに充分である。  平安中期の貴族に幅広く信じられていた陰陽道に対し庶民…
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